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ベルギーコラム

Vol.07 町にやさしく響く‘カリヨン’の音色

ベルギーの町になくてはならない存在、カリヨン。
その音色も、高い塔に設置された風景も、いかにも古いヨーロッパの街並みを象徴するものです。日本ではカリヨンという名前はあまり知られていませんが、その音色は日本に暮らす人なら誰にとってもなじみ深いもの。学校のチャイムの「キーンコーンカーンコーン」のメロディは、電子音でカリヨンを真似ているのです。

いくつもの鐘を組み合わせてメロディを奏でる巨大な楽器

1748年にブルージュで鋳造された鐘

町にはそれぞれ固有の音があります。ロンドンの町に時を知らせるビッグベン。夕暮れ時にゴーンと響く京都の鐘の音。ニューヨークならクラクションの音が町を象徴する音と言えるでしょうか。ベルギーっ子たちに時を知らせるのは、カリヨン。

カリヨンは、音階の異なるいくつもの鐘を鳴らしてメロディを奏でる組鐘です。映画やアニメで目にするヨーロッパの町並みには、鐘が鳴りひびく高い塔が見られますね。塔のてっぺんにいくつも並んでいる鐘がカリヨンです。

ヨーロッパのいたるところでその演奏を耳にするカリヨンですが、発祥の地はベルギーやオランダ。もともとはビッグベンやお寺の鐘と同じように、人々に時刻を知らせるために、教会や高い塔に大きな鐘が単独で設置されていました。いつしか、大きな鐘が鳴る前にそれをカウントダウンするかのように小さな鐘を鳴らすようになります。「前打ち」と呼ばれていたこの小さな鐘は、次第にいくつも組み合わせられるようになり、現在のような演奏へと発展しました。

カリヨンの町、ブルージュとメッヒェレン

ブルージュ市専属のカリヨン演奏者(カリヨネア)エメ・ロンバート氏

ベルギー北部の町、ブルージュの中心部にあるマルクト広場は、世界遺産にも登録された美しい広場。四方を歴史的な建造物に囲まれています。この広場で際だって美しいのが巨大な鐘楼です。塔に設置されているカリヨンは、鐘の数47個、総重量27トンという大きなもので、15分ごとにやさしい音色をブルージュの町に響かせています。

塔の内部にある366段の階段を上ると、ブルージュの町並みを見渡すことができます。塔の上から夕焼けに染まるブルージュの町を眺めると、カリヨンが美しい旋律で時を告げるのです。まるで映画のワンシーンのようですね。

メッヒェレンもカリヨンの町として知られています。町の中心にある聖ロンボーツ大聖堂には、49もの鐘からなる古いカリヨンがあります。このカリヨンは世界最高とも言われるもの。夏の間は週に一度カリヨンのコンサートがあり、やさしい音色が夜の町を包みます。

古い建造物、石畳の細い路地、見上げれば鐘楼にカリヨン

ベルフォルト(鐘楼)は、ブルージュのランドマーク

古くから町に時を知らせ続けてきたカリヨンは、現在ではその音楽性が高く評価されています。メッヒェレンには王立カリヨン学校があり、全世界から生徒が集まっているのだそう。

また、夏の夕暮れにはベルギーのいくつもの町でカリヨンコンサートが催されます。人々は涼しい風に吹かれながら、カリヨンの音色に酔いしれます。

風景や音、香りは、なつかしい記憶を呼び覚ます大切な宝物。高い鐘楼がそびえカリヨンの音色が響く町に、ワッフルの焼ける甘い香りが漂う。それがベルギーの人たちにとっての故郷そのものなのでしょう。

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